加圧シャツのデメリットとは?これを知らずに着るのは危険!

加圧シャツは筋トレ効果や姿勢改善が期待できるアイテムですが、一方で体調不良や肌トラブルを訴える声もあります。
使い方を誤ると血行不良や神経障害を招く危険性もあるのです。
国民生活センターや厚生労働省による報告では、体に過度な圧力をかける衣類の誤使用で神経麻痺や浮腫の事例が示されています。

特に高齢者や持病のある方は血行障害が起こりやすく、着用前には医師に相談するなど注意が必要です。着用中に息苦しさやめまいを感じたら、すぐに脱ぐことが大切です。

この記事では加圧シャツのデメリットに焦点を当て、2025年最新情報とともに注意点を解説します。

加圧シャツのデメリットとは?安全性と注意点を解説

加圧シャツは体を強く締め付ける仕様になっており、スパンデックスなど伸縮性の高い繊維でできています。厚着のように体に密着することで姿勢を矯正したり、筋トレ時のサポートに使われるのが特徴です。

しかし、その強い圧力は使い方を誤ると体に悪影響を及ぼす危険性があります。
加圧シャツの基本的な効果の一方で、装着による身体への負担にも目を向ける必要があるのです。

加圧シャツとは?基本機能と狙い

加圧シャツは筋肉に圧力をかけるインナーウエアで、通常の衣類よりも身体を締めつけて姿勢や筋肉の動きをサポートします。
たとえば腹部にパネルが入っている製品は腹筋に力が入るよう働き、背中や胸の部分を締める製品は背筋や胸筋の姿勢を支える効果があります。

こうした製品はあくまで運動を補助するツールであり、自ら体を動かしてトレーニングを行わなければ筋肉が劇的に増えるわけではありません。
パッケージや宣伝で「着るだけで痩せる」「着るだけで筋肉がつく」といった誇大表現が使われることもありますが、消費者庁も2019年に加圧シャツの効果について、着用だけで痩せる根拠はないと指摘しています。
加圧シャツは代謝をわずかに上げる補助的な役割の商品であり、服を着るだけで劇的に変わるものではないことを理解しておきましょう。

適切なサイズ選びと着用時間の基準

加圧シャツは自分の体型に合ったサイズを選ぶことが大前提です。特に腹部や胸部への締め付けが強すぎるサイズは、呼吸や胃の蒸れを引き起こしやすい点に注意してください。メーカーによって推奨する着用時間は異なりますが、一般的にはトレーニング中や軽い運動時に限るのが望ましいとされています。

長時間ずっと着用し続けるのは血行を著しく悪化させる恐れがあるため、メリハリをつけるよう心がけましょう。
もし冬場に厚着を重ねる場合は、加圧シャツ自体への圧力が増えるため控えた方が無難です。体調に不安がある場合は事前に医療専門家に相談するなど慎重に使い始めるようにしましょう。

圧力が強すぎる場合のリスク

圧が極端に強い加圧シャツを着用すると、身体にさまざまな不調が表れます。たとえばサイズが小さすぎるものを無理に着ると、胸部まで締め付けられて呼吸が浅くなりがちです。体調が優れないときに締め付けが強い衣類を着ると、気分が悪くなるケースも報告されています。

同じ姿勢で長時間着用し続けるのも危険です。座りっぱなしや立ちっぱなしで圧迫が続くと、圧迫された部分の血行がさらに悪化しやすくなります。ジムで使用する場合も、休憩中は脱ぐなどして圧力を逃がすことを心がけましょう。

加圧シャツ着用時の健康リスクと副作用

加圧シャツを着用する際の健康リスクとしては、主に血行不良と神経圧迫が挙げられます。強い締め付けによって血管が押さえられると、手足の末端まで血液が循環しにくくなり、手足の冷えやむくみ、関節の痛みにつながることがあります。

また、一定部位に長時間圧力がかかると神経が刺激され、しびれや痛み、最悪の場合は神経麻痺が起こることもあります。
体への圧力が40hPa以上になると血流障害を招くとの報告もあります。

加圧シャツはその範囲に達することは少ないとされていますが、着用時間が長くなるほど全身の血流への負担は増すため、慎重な着用が求められます。

血行を阻害する圧の影響: 痛み・しびれ・むくみ

加圧シャツの圧力で最も顕著に現れるのは血行の悪化です。強い締め付けが続くと、手足が冷たくなったり、ふくらはぎや腕に重だるさやむくみを感じたりすることがあります。

酷い場合は、関節や皮膚の表面にも赤みや痛みが生じることがあります。長時間着用すると、脈が弱くなる、手がしびれるといった症状が出る場合もあるため注意が必要です。

神経麻痺や血栓の可能性

過度な圧迫によって神経が長時間圧迫されると、末梢神経に障害が起こる恐れがあります。たとえば腓骨神経が圧迫されると足の動きが鈍くなる腓骨神経麻痺を起こすことがあります。

また、血流が著しく阻害されると血栓(深部静脈血栓症)のリスクも高まります。医療用圧迫ストッキングでもこうしたリスクがあるため、加圧シャツでも同様の危険性があることを理解しておくべきです。

副作用が出やすい人

加圧シャツに限らず、加圧器具の使用では以下のような人がリスクが高いと指摘されています。

  • 50~60代以上の高齢者
  • 神経障害や循環器系の疾患を持つ人(神経障害で感覚鈍化、血流障害の影響が大きい)
  • 糖尿病など血行不良を招きやすい持病のある人
  • 貧血や低血圧のある人

これらに当てはまる人は、血液や神経の変化に気づきにくい傾向があります。体調に不安のある場合は、専門家に相談するなど慎重に使いましょう。

肌トラブルや不快感:蒸れ・かゆみ・縫い目の痛み

加圧シャツは肌にピッタリ密着するため、汗や蒸れによる不快感が起こりやすくなります。特に夏場や激しい運動時は体温が上がりやすく、加圧シャツによってより一層熱がこもります。
汗をかいたまま長時間着ていると皮膚がかぶれたり雑菌が繁殖してしまい、肌荒れやにおいの原因になることがあります。

汗や蒸れ:着用中の体温上昇と不快感

加圧シャツは発汗作用に優れるメリットがある一方で、汗と熱がこもりやすいデメリットもあります。ナイロンやポリエステルを主素材とする製品が多く、通気性よりも保温性が高いため、内部空間はサウナのように高温多湿になることがあります。
体温上昇や脱水予防のためにも水分補給はこまめに行い、汗をかいたらシャツを脱いで休憩するようにしましょう。

敏感肌のかゆみ・肌荒れ

着用中に肌がムズムズする、チクチクする感覚がある人は、素材が肌に合っていない可能性があります。加圧シャツの多くはポリエステル・ポリウレタン素材なため、敏感肌の人やアレルギー体質の人は肌荒れを起こす場合があります。
縫い目やタグが直接肌に当たるとさらにかゆみや赤みが生じやすいので、問題が出たら一旦使用をやめ、肌に優しい素材の製品を検討してください。

縫い目やサイズ不適合による痛み

縫い目の糸が固く飛び出していたり、着用時に縫い目の位置がずれていると、関節部分などに圧力点ができて痛みや擦れが生じることがあります。
特に安価な製品では縫製が甘く、着ているだけで痛みを感じるケースもあります。フィット感や仕立てに不安がある場合は、信頼できるメーカー品への変更を検討しましょう。

日常生活で気になる不便さ:着脱・洗濯・価格

加圧シャツには身体への影響以外にも、日常的に気をつけたいポイントがあります。まず、体にフィットする分、着脱にはどうしても手間がかかります。脱ぎにくさや引き攣り感があるため、慣れるまでストレスに感じる人も少なくありません。
また、着脱の際に生地を傷めないように注意して行う必要があり、急いで着脱しようとすると素材を痛める恐れがあります。

着脱の手間:慣れるまで大変

加圧シャツは一般のTシャツよりも伸縮性が高いため、着替え時には脱着しづらい構造になっています。特に加圧作用の強い製品では、一旦身体に密着すると脱ぐときに強い抵抗感があります。

初めて着用する際は、足から先に通し、徐々に上げるようにするなどコツを押さえましょう。急いで無理に引っ張ると破損の原因にもなるので、慌てず丁寧に扱うことが大切です。

洗濯の注意:型崩れの恐れ

加圧シャツの多くはポリウレタンやポリエステルといった合成繊維を使用しており、熱や強い摩擦に弱い素材です。
そのため丁寧な洗濯が欠かせません。一般的には裏返して洗濯ネットに入れ、弱水流モードや手洗いモードで洗うことが推奨されます。
さらに乾燥機の使用は避け、陰干しにして形を整えることで、加圧力や型崩れを防ぎます。洗剤も中性洗剤など肌に優しいものを使うと劣化を抑えられます。

複数枚を揃える必要性と費用負担

加圧シャツは毎日使用するなら2~3枚をローテーションすると考えましょう。汗をかいたり洗濯中に数日間着られない状況に備えるためです。しかし1枚あたりの価格が高めであることが多く、数枚揃えると初期費用は大きくなります。

セールやまとめ買いで単価を下げる方法もありますが、高級ブランドのものは1枚千円以上することもあります。コスト面が気になる場合は、リーズナブルな製品や中古品も検討しつつ、品質とのバランスを見極めましょう。

期待と現実:加圧シャツだけで痩せない・限界もある

パッケージや宣伝には着るだけで痩せる、着るだけで筋肉がつくといった誇大表現が使われることがありますが、消費者庁も2019年に加圧シャツの効果について、着用だけで痩せる根拠はないと指摘しています。

加圧シャツは着用中の代謝がわずかに上がる程度で、大幅なダイエット効果は期待できません。やはり減量には運動や食事管理が不可欠であり、加圧シャツはその補助ツールに過ぎません。

着用だけで痩せない:運動の併用が必須

加圧シャツを着ているだけでは脂肪が大幅に減るわけではありません。いくら圧迫によって筋肉の活動が増すとはいえ、効率よく痩せるには適度な運動が欠かせません。
実際のところ、ちょっとした筋トレやジョギングをしない限り、着用だけで体型変化が起こることはほとんどないと考えてよいでしょう。

筋力アップには適切なトレーニングが必要

同様に、筋肉をつけるにはやはり正しいトレーニングが必要です。加圧シャツはフォームを補助して効率を助ける役割はありますが、ただ着用するだけで筋肉がつくわけではありません。
筋肉の成長には漸進的な負荷と休息が不可欠なため、加圧シャツに頼りすぎず、しっかり鍛えることが重要です。

広告の誇大表現に注意

SNSや通販サイトの口コミには、あたかも着るだけで劇的な結果が得られるかのように紹介されている場合がありますが、事実を過大に解釈したものです。
過度な広告や口コミ情報に振り回されず、客観的な視点で製品を選びましょう。
効果の実感には個人差があることを前提にすることが大切です。

まとめ

以上のように、加圧シャツには姿勢サポートやボディメイク向上のメリットがある一方で、健康面や生活面での注意点も少なくありません。特に強い締め付けによる血行不良や肌トラブルを防ぐため、サイズ選び・着用時間・洗濯などに十分注意しましょう。体調に異変を感じたらすぐに着用を中止し、必要に応じて専門家に相談してください。

加圧シャツはあくまで補助アイテムであることを忘れず、万能ではない点を理解しておくことが重要です。正しい知識と使い方で活用すればトレーニングを助けるツールになりますが、一枚で全てを解決するわけではありません。
適度な運動やバランスの取れた食事と組み合わせ、安全に利用することがポイントです。

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