脱毛サロンやクリニックでムダ毛処理をしたあと、体がだるかったり疲労感を感じたりした経験はありませんか。実は、施術床に横になってじっとしていただけなのに、体が疲れるのにはきちんとした理由があります。本記事では、脱毛施術後に疲れやすくなる原因と、その疲れを軽減する方法、最新の脱毛技術による疲れやすさの違いなどを専門的に解説します。無理なく快適に脱毛を続けるためのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
脱毛後に疲れる原因とは
脱毛後に疲れを感じるのは「気のせい」ではありません。脱毛施術の際に受ける熱刺激や長時間の拘束、痛みへのストレスなどが体に大きな負担となり、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積してしまうのです。
- 照射による熱ストレス: 脱毛サロンやクリニックでは光脱毛やレーザー脱毛で毛根に高熱を与えます。これにより肌は軽い火傷状態になり、体温が上昇します。体は余分な熱を下げようと免疫機能をフル稼働させるため、多くのエネルギーを消費し疲労感をもたらします。
- 脱水と体液バランスの低下: 脱毛施術中は体が高熱状態になりやすく、肌や体内の水分が奪われがちです。体内の水分量が減ると血液の循環が悪くなり、酸素や栄養が体の隅々に行き届きにくくなります。血液がドロドロになることで老廃物もたまり、結果的に疲れやすさやだるさを感じる原因となります。
- 施術時間が長い: 全身脱毛は1回の施術でも60〜120分かかるため、長時間にわたって同じ体勢で拘束されます。ベッドに寝ているだけでも、腕や脚を伸ばすなどの体勢を維持すると筋肉が緊張しやすく、血行不良による倦怠感を招きます。また、長時間じっとしていることで体力を消耗し、終わったあとにどっと疲れを感じることがあります。
- 痛みと緊張によるストレス: 脱毛の施術には多少の痛みを伴います。特にレーザー脱毛やワキ・VIOなど毛が濃い部位の脱毛では痛みが強く、痛みに耐えるために身体に力が入り、筋肉がこわばります。また、施術中は精神的にも緊張状態が続きます。痛みや緊張に耐えること自体が大きなストレスとなり、そのぶん体への負担が増大して疲労感が高まります。
- 精神的な緊張・恥ずかしさ: 脱毛サロンやクリニックでは、上下の着替えやVIOなど他人に見られたくない部位の施術が必要です。はじめての脱毛や慣れない場所での施術では「人に体を見られる恥ずかしさ」や「急に知らない場所に行く不安」などで緊張しやすくなります。これらの精神的ストレスも脱毛後に疲れを感じる一因となります。
- 施術後の冷え: 施術中は冷却ジェルや冷却システムで肌を冷やしますが、施術が終わったあとに急激に体が冷えることがあります。長時間ガウンだけで過ごしたり冷却ジェルが残っていたりすると、体が冷えて血流が悪くなり疲労感を増幅させることがあります。
- 飲食制限による負担: 脱毛施術中は基本的に飲水や食事ができません。特に午前中や昼間の予約で空腹のまま施術を受けると、終わった後に極度の疲労感に襲われることがあります。脱毛前に食事や水分を控えると、体がエネルギー不足になり、血糖値の低下も疲労を感じる原因になります。
以上のように、脱毛施術では肉体的・精神的な負荷が複合的にかかるため、施術後は疲労感を感じやすいのです。では、これらの疲れを少しでも軽くするためにはどうすればよいのでしょうか。
脱毛後の疲れを軽減する対策

疲れやすい要因がわかったら、施術前後にできる準備や工夫で疲労を予防・軽減しましょう。施術前、施術中、施術後に分けて、それぞれ心がけたいポイントを解説します。
施術前の準備(睡眠・栄養・水分補給)
脱毛前の体調管理は非常に重要です。まず脱毛前夜は十分な睡眠を取り、体を休めておくことを心がけましょう。疲労が溜まっていると免疫力や痛みに対する耐性が低下し、施術のストレスに耐えにくくなります。また、脱毛当日は軽い食事と十分な水分補給をしてから向かいましょう。食事を抜いて空腹状態で施術を受けると、施術中に空腹や血糖値低下の症状が出て余計に疲れを感じてしまいます。特に水分は脱毛施術で失われやすいので、前日から意識してこまめに水を飲んでおくことが大切です。
体調が優れない、風邪気味、生理前後で体調が不安定といった場合は、無理せず施術を延期するのが得策です。施術のペナルティを恐れて無理するよりも、万全の状態で受けるほうが疲労や肌トラブルのリスクも減ります。符号例を挙げると、次のようになります。
- 前日はしっかり睡眠をとる
- 当日朝に軽食と水分をとる
- 体調不良や重い生理痛がある場合は予約を変更する
施術中の過ごし方(リラックス法)
施術中はなるべく筋肉が緊張しないようにリラックスを心がけましょう。緊張すると血行が悪くなり、疲労を感じやすくなります。具体的には、以下のような工夫が疲れを緩和するのに役立ちます。
- 深呼吸でリラックス: ゆっくり深呼吸を意識すると緊張がほぐれます。呼吸を整えて肩や腕の力を抜くと、筋肉への負荷が減ります。
- スタッフとの会話: スタッフが気さくに話しかけてくれるサロンもあります。会話で気を紛らわすことで、長時間の施術もあっという間に感じられる場合があります。気になることや不安があれば遠慮なく相談しましょう。
- 音楽やポッドキャストを聴く: サロンによっては施術中にイヤホンで音楽を聴けるところもあります。お気に入りの曲を流すと気分転換になり、緊張が和らぎます(事前に施設に確認を)。
- 施術中に眠る: 可能であればウトウトするのも有効です。睡眠できればその分体力を温存できます。最新のサロンでは「スリープモード」など、過度な会話をせずに施術を受けられる配慮があることもあります。
施術後の休息とケア(水分補給・睡眠など)
脱毛が終わったら、すぐに日常の用事に戻るのではなく、しっかりと体を休ませることも大切です。施術後は体が熱を帯びて水分が不足しているため、以下のケアで体力回復を促しましょう。
- 水分補給: 施術直後にコップ一杯の水を飲むよう心がけてください。水分を補うことで血液がサラサラになり、体への酸素供給が改善されます。カフェインやアルコールは脱水を招くので控えめにしましょう。
- 栄養補給: 軽くエネルギー補給するために、バナナやチョコレートなど消化に負担が少なく糖質を含むものがおすすめです。チョコレートに含まれるカカオのポリフェノールにはリラックス効果も期待できます。
- 十分な睡眠: 脱毛当日は早めに帰宅し、夜はしっかり休みましょう。施術による体への熱ストレスや緊張を回復させるには、睡眠がもっとも効果的です。昼間に施術を受けた場合は、帰宅後に短い仮眠を取るのも良いでしょう。
- 体を温める: 施術後は体が冷えやすいので、暖かい服装やブランケットで体を冷やさないようにしましょう。軽めの入浴(ただし照射部位は温度が低いシャワーであたため、熱い湯は避ける)も血行を促進し疲労回復に役立ちます。
脱毛方法の選択(痛みの少ない脱毛技術)
脱毛方法によって受ける刺激の大きさは異なります。痛みが強いほど緊張や筋肉の硬直が起きやすく、結果的に疲れやすくなるケースがあります。最近では次のような痛みの少ない脱毛技術が登場しているので、疲れやすい人は検討してみるとよいでしょう。
- 蓄熱式脱毛(SHR方式): 低温の光を連続照射し、毛包に熱を蓄えて毛の再生を抑えます。従来のレーザー脱毛に比べて照射温度が低く痛みが軽減され、施術中のストレスが少ないのが特徴です。
- ハイパースキン法: 毛根ではなく毛を生やすバルジ領域をターゲットにする方式で、さらに痛みが少ないといわれています。敏感肌や痛みに弱い人でも比較的受けやすい脱毛方法です。
- 麻酔クリームや麻酔オプションの活用: 医療脱毛では、医師の診察のもと麻酔クリームや笑気ガス麻酔を使用できるクリニックもあります。痛みが苦手な場合は麻酔の利用を相談してみましょう。
以上のような工夫により、施術前後の負担を減らすことができます。複数のサロン・クリニックを比較検討し、施術時間が短い、痛みを抑える工夫がある、リラックスできる設備が整っているなど、自分に合った環境を選ぶのも疲れを軽減するポイントです。
脱毛方法による疲れ方の違い

使用する脱毛機や方法によって、疲れの感じ方には違いが生じることがあります。一般的には、出力が高い医療レーザー脱毛ほど体への熱負担が大きく疲れやすい傾向があります。一方、最新の蓄熱式脱毛やハイパースキン法などは低温で照射するため、比較的疲れが少ないとされています。ここでは代表的な脱毛方法ごとに疲れやすさの傾向を見てみましょう。
医療レーザー脱毛と光脱毛(サロン)
医療クリニックで行うレーザー脱毛は瞬間的な照射出力が高く、毛根に強いダメージを与えます。そのため照射時に熱が体にこもりやすく、痛みも強めです。一方で脱毛効果は早く出やすい特徴があります。脱毛サロンで一般的な光脱毛(フラッシュ脱毛)は医療レーザーよりも出力を抑えた照射を行うため、痛みがやや緩やかです。しかし複数回の照射で徐々に効果を出していくため、施術回数や総時間は長くなる傾向があります。
SHR蓄熱式脱毛・ハイパースキン法(最新技術)
SHR方式やハイパースキン法は、いずれも低温で連続的に光を当てて脱毛効果を出す方式です。高温志向の従来方式と違い、肌にかかる刺激が穏やかで痛みや熱感が抑えられます。施術時間が短縮できる機種も多く、体にかかる負担が軽減される特徴があります。疲れやすい方や痛みが苦手な方は、こうした最新技術を導入しているサロンを選ぶのもひとつの方法です。
家庭用脱毛器や自己処理との比較
自宅用の低出力な脱毛器やワックス脱毛なども存在しますが、これらは脱毛後の肉体的な疲れというよりは継続的な肌への刺激や後遺症(肌荒れや色素沈着など)が問題となることがあります。一般的に家庭用脱毛器では出力が低めなので熱による負担は少ないですが、その分脱毛効果も緩やかで脱毛完了まで時間がかかります。またワックス脱毛では脱毛時に毛を皮膚ごと剥がすので、直接的な痛みを伴い瞬間的なストレスが大きくなりがちです。
上記を表にまとめると以下のようになります。
脱毛方法 | 特徴 | 疲れやすさ |
---|---|---|
医療レーザー脱毛 | 高出力で短時間で効果的、痛みは強め | 高い |
サロン光脱毛 (IPL) | 柔らかな光で複数回照射、痛みは中程度 | 中程度 |
SHR蓄熱式・ハイパースキン法 | 低温連射で痛みが少なく長時間施術 | 低い |
家庭用脱毛器やワックス | 自宅で手軽に使用、効果出るまで時間がかかる | 比較的低い |
まとめ
脱毛施術後に疲れを感じるのは珍しいことではありませんが、その原因と対策を知っておくことで快適に脱毛を続けることができます。照射による熱負荷や施術時間の長さ、痛みや緊張といった複数の要因が脱毛後の疲労に影響します。施術前は十分な睡眠と水分、適切な食事で体調を整え、施術中はリラックスするための工夫をしましょう。そして施術後はしっかりと水分とエネルギーを補給し、睡眠をとって休息を優先してください。さらに、痛みや施術時間が軽減される最新の脱毛技術やサロン選びも、身体への負担を減らす重要なポイントです。
これらのポイントを押さえ、健康的なコンディションで脱毛に臨むことで、疲れを最小限に抑えながらムダ毛ケアが可能になります。疲れやだるさを感じたら無理せず休息するとともに、次回の施術に向けてしっかり準備をしておくことが長期的に脱毛を続ける秘訣です。