年齢を重ねるにつれて、同じ生活習慣でも体重が増えてしまうと感じる人は多いです。基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化などが影響し、ある年代では太りやすくなります。
本記事では太りやすい年齢の要因と、健康的に過ごすための対策を解説します。
目次
太りやすい年齢とは?
何歳から体重が増えやすくなるかは個人差があります。しかし、一般的に言われるのは、歳を重ねるにつれて体は太りやすくなるということです。
加齢にともない基礎代謝量が徐々に低下し、同じ食事量でも消費カロリーが減ってしまうからです。
さらに、ホルモンバランスの乱れや、生活習慣の変化も体重増加の要因となります。つまり、ある年齢を境に太りやすく感じるのは自然なことですが、対策を行えば健康的な体型を維持できます。
基礎代謝の年齢変化
基礎代謝量は年齢とともに変化し、若いうちは非常に高い状態です。特に男性では18歳前後、女性では15歳前後に基礎代謝がピークに達し、その後は徐々に減少していきます。
年齢を重ねるほど筋肉量が減り、細胞の再生速度が遅くなるため、20代以降は毎年1~2%程度ずつ基礎代謝が低下すると言われています。
実際、同じ生活を送り続けていると基礎代謝の低下分だけで毎年数百グラムずつ脂肪が増える計算になります。運動量が減って消費カロリーが落ちると、その分だけエネルギーが余りやすくなります。
ホルモンバランスと体重
思春期になると成長ホルモンや性ホルモンの分泌が活発になり、体の成長を促進しますが、成長が一段落するとホルモン分泌が落ち着いて代謝が下がります。これに伴い使われなかったエネルギーが脂肪になりやすくなります。
特に女性は40代以降にエストロゲン(女性ホルモン)が減少し、お腹回りに脂肪がつきやすくなります。男性も加齢でテストステロンが減ると筋肉量が減少し代謝が下がるため、同じ生活習慣でも体重が増えやすくなるのです。
生活習慣の変化
社会人になると仕事で座る時間が増え、運動量が減るケースが多いです。さらに結婚や子育てを機に食事時間が不規則になったり、家事・育児で自分の時間がとれず運動機会が減ることもあります。
これらのライフステージの変化により、日々の消費カロリーが減る一方で、高カロリーな外食や間食をとりがちになると、知らない間に体重増加につながる原因となります。
年齢別の太りやすい時期

各年代で体に起こる変化と、それに伴う太りやすさを見ていきましょう。
具体的には思春期、20~30代、そして40代以降の中年期に分けて紹介します。
思春期(10代前半)
10代前半は成長期に当たり、体の成長が著しい時期です。
このころは食事量が増えても基礎代謝量が高いため、摂取エネルギーを多く消費できます。しかし成長がひと段落し基礎代謝の上昇が止まると、余ったエネルギーは脂肪として蓄積されやすくなります。思春期の終わり頃になると大人と同じ食事量でも体脂肪が増えやすいのはこのためです。
20~30代: ライフステージの変化
20代は仕事や結婚などでライフステージが大きく変わる時期です。
一人暮らしを始めると手軽に済ませられる食事が増え、不規則な食生活になりがちです。また、就職で忙しくなると運動する時間が減り、筋肉量も徐々に落ちていきます。同じ食生活を続けているだけで消費カロリーが減り、20代後半から30代にかけて太りやすくなる人が多いのです。
40代以降: 中年太りへの移行
40代になるとさらに基礎代謝が低下し始める年代です。
女性は閉経に向けてエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少し、男性も加齢によりテストステロンが減って筋肉量が減りやすくなります。また仕事や家庭の忙しさから運動習慣を確保しにくくなる人が多い年代でもあります。そのため、40代になるとお腹回りに脂肪がつきやすくなり、中年太りが進行しやすいのです。
太りやすい年齢で太らないための対策

年齢に応じた生活習慣の見直しで、太りにくい身体を維持することができます。ここでは食事、運動、睡眠・ストレスの3つの観点から、それぞれの対策を紹介します。
どの年代でも、バランスの良い食事と適度な運動、質の良い休息を基本にして過ごすことが重要です。これらを習慣化することで、年齢に左右されない健康的な体型を手に入れましょう。
適切な食事管理
まず食事は全体のバランスが重要です。
野菜や海藻、きのこ類などで食物繊維やビタミンを摂りつつ、肉・魚・卵・大豆製品などでたんぱく質を十分に補いましょう。炭水化物や脂質は身体のエネルギー源ですが、過剰になると体脂肪として蓄積されるため、適切な量に抑えることが大切です。また、間食はナッツや果物など低カロリーなものを選び、食事回数を決めて規則正しく摂る工夫をしましょう。
- たんぱく質中心の食事:肉、魚、大豆製品、卵などをバランスよく摂る
- 野菜・海藻類を多く摂り、食物繊維とビタミン・ミネラルを補う
- 炭水化物は腹八分目で:白米やパンの量を調整する
- 糖分・脂質を控える:甘いお菓子やジュースは控え、油の摂りすぎに注意する
以上のような食事を心がけることで、急激な血糖値の上昇を防ぎ、脂肪の蓄積を抑えることができます。
適度な運動習慣
定期的に運動を行うことも重要です。
特に筋力トレーニングで筋肉量を維持・増加させると、寝ている間の消費カロリーも増加します。有酸素運動で脂肪燃焼を促進するのも効果的です。たとえば、ウォーキングやランニング、サイクリングなどを週150分程度行うとよいでしょう。日常生活でも階段を使う、一駅分歩くなど工夫して体を動かす習慣を身につけましょう。
- 週2~3回の筋力トレーニング:大腿部・背中・胸など大きな筋群を鍛える
- 有酸素運動の習慣:ウォーキングや軽いジョギングで週150分を目安に
- 日常で体を動かす:エレベーターではなく階段を使う、一駅手前で降りて歩く
筋力トレーニングで筋肉量を維持・増加させると、基礎代謝が上がって消費エネルギーが増え、太りにくい身体になります。若いうちから無理のない範囲で運動習慣を身につけ、年齢に応じて継続することがポイントです。
質の高い睡眠とストレス対策
睡眠不足やストレスも太りやすさに影響を与えます。眠りが足りないと空腹を感じさせるホルモン「グレリン」が増え、満腹感を司る「レプチン」が減るため、食欲が増してしまいます。ストレスが溜まるとコルチゾールというホルモンが分泌され、これも脂肪蓄積を促進します。
そのため、毎日質の良い睡眠を確保し、ストレスをためすぎない工夫が大切です。理想は1日7~8時間の睡眠ですが、寝る1時間前はスマホを控える、リラックスできる入浴やストレッチを取り入れて睡眠の質を高めましょう。また週末は趣味や軽い運動で気分転換し、心身ともにリラックスする時間を持つようにしましょう。
- 7~8時間の睡眠:毎晩十分な睡眠時間を確保してホルモンバランスを整える
- 就寝前のリラックス:寝る1時間前はスマホやパソコンを控え、照明を落とす
- ストレス発散:趣味や散歩、深呼吸などで気分転換し、リラックス時間を持つ
良質な睡眠と適度な休息で自律神経やホルモンバランスを整えることができます。体が十分に回復すると日中の代謝効率も上がり、太りにくい体に近づけます。
まとめ
年齢とともに基礎代謝は低下し、太りやすい時期があるのは自然な生理現象です。しかし、その傾向に対応した生活習慣へ見直せば、年齢に左右されず健康的な体型を保つことができます。基礎代謝の低下やホルモン変化、ライフスタイルの変化に合わせて、食事・運動・休息のバランスを意識しましょう。
何歳であっても、無理な食事制限ではなくバランスの良い食事と継続可能な運動、質の良い睡眠を基本とすることが大切です。今回紹介したポイントを参考に、年齢を問わず太りにくい生活習慣を実践して、健康的な毎日を送ってください。